3.29.2012

生きている

さすがに冬も終わり、春の風があたたかく舞う日。
寒がりな俺にとっては、それはその風さえもが冷たく思えて、手を擦り合わせ
ながら、塾の帰り道、月明かりに照らされた薄暗い路地を歩く。
ふと。俺は空を見上げた。田舎だからだろうか、そこには満天の星空が広がっていた。
しかし、俺はそれを綺麗とは思わなかった。その代わりに。

・・・俺は生きているのだろうか?

そりゃ生きているに決まっている。
ちゃんと呼吸して、しっかりと意識を持っている。
だが・・・
本当に、それだけが「生きている」なのだろうか?
それは、「ただ生きている」だけであって、「人として生きている」訳ではないのじゃないのだろうか?
季節の移り変わりにも、人間関係にも、自分の人生、生き方についてまで無神経。
ただ、過ぎ行時間の流れに沿ってただ歩いていくだけのそれ。

それで・・・本当に人として生きているのだろうか?

嬉しいことがあって笑い、悲しいことがあって泣き、気に入らないことがあって怒り、そして、楽しいことがあって、また笑う。
それが、本当の「人の生き方」なんじゃないのだろうか。
そう。ふと感じた。
何につけ、関心も意欲も沸かない。
何も感じない、何も考えない。

そんな俺にとって、それはまるで・・・

シンダニンゲント、オナジデアルヨウニオモエタ。

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